どうもこんにちは、ひとりOnes'1イギリス支部まーしーです。
ワンズを卒業してはや数年、みんな元気でしょうか。
あれからワンズは本当にいろいろあったらしく、紆余曲折を経て現在も活動を頑張っているそうです。嬉しいことですね。
今後OBの皆さんと現メンバーの皆さんの交流の機会を設けられたらと思います。
私は今イギリスのとあるFairtrade Universityの修士課程に在籍しています。
少しだけ、フェアトレード先進国であるイギリスに来て感じたことをまとめてみようと思います。
まず、フェアトレードの世界売上、イギリスは27%を占めています。アメリカは25%ほどであるため、この二か国だけで世界の約半分の売り上げがあることになります。ちなみに日本の売り上げは0.3%弱だそうです(FLO annual reportより)。
確かに生活実感として、いたるところでフェアトレードの製品を見つけることができるのは日本との大きな違いです。
製品はチョコレート、紅茶はもちろん、シャンプーやワイン、サッカーボールなど、多種多様です。
それでいて、フェアトレードの製品が高価である、という意識はあまり無いように思います。
例として、フェアトレード認証マークの付いたキットカットと、付いてないものの値段は同じです。また、FTの缶コーラもコカコーラと比べると20〜30円ほどの差でした。
日本ではFT製品=高価だと思われがちですが、このイギリスでのFT製品と通常の製品の値段の差の少なさは、フェアトレードがイギリスで普遍的なものである要因の一つであると感じました。
一方で、日本がフェアトレード先進国であるイギリスを単純に追従してよいのか、というのは疑問が残るところです。
FLOのレポートでは日本のFT製品の売り上げ割合は0.3%。この数字だけを見るとほとんど貢献していないように見えますが、この数字に含まれているのは「フェアトレードラベル認証を受けた製品の売り上げ」だけなのです。
そのため、日本では多い「FT認証を使用していない団体のFT製品の売り上げ」はカウントされていません。
イギリスのスーパーで売られているFT製品といえば、ラベル認証のものがほとんどです。
また、本来フェアトレードのコンセプトとは相反するはずのネスレ、スターバックスといった多国籍企業がこぞってFT製品を販売したため、FT本来の「企業に社会的責任を付加する」役割が薄れてしまったという批判が、イギリス内でも大きいです。
私の所属している大学院もFairtrade Universityでフェアトレード研究をしている教授がいるのですが、彼はネスレの商品はフェアトレードのものであっても買わない、と言っていました。
確かに多国籍企業がFT市場に参入することで、FT製品の価格の安定・FTの認知度向上に貢献していると思うのですが、難しいところです。
【フェアトレード大学】
イギリスでは一般的にフェアトレード大学が存在しています。フェアトレード大学になるにはいくつかの条件をクリアしないといけません。(条件についてはここでは割愛します)
私の大学院の場合は、生徒のサークルの活動によってフェアトレードの導入が進められてきた、というよりは大学側がイニシアチブをとって導入してきた側面が大きいようです。
Ones'1や日本の大学のサークルの場合、フェアトレードの導入は主に学生主導で成り立ってきました。そのため、学生生協で販売することまでが第一の関門、さらに大学職員の協力を得て監査するシステムを作ることが第二の関門となっていました。おそらく日本、引いてはアジアにフェアトレード大学が存在しないのは、このあたりが大きな原因となっているのではないでしょうか。
大学側としては、メリットがはっきりしない限りは「フェアトレード大学」に重たい腰を上げ協力していく必要性がないのでしょう。
今後、フェアトレード大学を目指していくには、いかに大学側を巻き込んで活動をしていくかが大きなカギを握ると思います。
またイギリスFT事情をレポートしたいと思います。
おまけ・私の修論の担当教授が書いたフェアトレードの金の紹介です↓