みなさん、休日はいかがなさっていますか。今日私は、とあるコーヒーショップを訪れました。
FTショップだけではなく、一般のコーヒー(FTではないコーヒー)を取り扱うオーナーさんの思いを聞いてみたかったからです。今回は、そのオーナーさんとの話の内容を書かせていただきます。
「いらっしゃいませ〜」 店内に入ると、オーナーさんの明るい声が響いてきた。私は、軽く会釈をしてぐるりと店内を見渡す。なるほどコーヒー専門店だけあって、いろいろな種類のコーヒー豆が置いてあるようだ。しかしながら、FTのものは見当たらない。
「コーヒー入れたんで飲んで下さい。お菓子も良かったら、、」 私はお言葉に甘えさせてもらい、ひと時のティータイムを楽しんだ。オーナーさんともほんの少し距離が近づいてきたので、FTの話題を持ちかけてみた。
『ここのお店にはFTのコーヒーは置いていないのですか。』
「すいませんね〜 うちには置いてないんですよ。」 お、どうやらFTのことは知っているらしい。なんとなくうれしかった、にやけてしまった、、 オーナーさんは話し続ける。
「でもね、FTコーヒー仕入れませんかってことはよく言われてるんですよ。今、コーヒー業界でも話題になっていますからね。」
『そうなんですか!?じゃあ仕入れるつもりなんですかね。』 ドキドキ、いやわくわくしながら聞いてみた。
「う〜ん、いまのところ仕入れるつもりはないですね。FTのコーヒーはまだ一般にはよく知られていないみたいだし、こっちも商売でやってるから心配はあるんですよ。もちろん途上国のことは深刻な問題だと思います。でもやっぱり最優先は自分の生活なんで。ボランティアでコーヒーを出すのとはわけが違うんですよね。」 その通りだと思った。なんだかんだで衣食住を持続させるための商売なんだ。そしてなによりも、FT商品=安心感という思いを、コーヒー業界においても抱かせられていないことには寂しさを感じた。オーナーさんには、FT商品=不安感という思いの方が大きいようだった。
『コーヒー業界ってどんな仕組みになっているんですか。』 私は問いかけた。するとオーナーさんは少しほほ笑んでこう言った。
「いや大人の世界はどろどろしてますよ。大企業からコーヒーを仕入れようと思っても直接は取引させてもらえないですからね。だいたいどこかしらの企業を間に挟むことを要求されます。」 いまいちピンとこなかった。
『どういうことですか。間接的に取り引きしちゃうとどんなデメリットがあるんですかね。』
「えっと、たとえばね、ここの店が大企業に対してコーヒーの仕入れを申し出たとするでしょ。このとき、直接ストレートにやれば100円で取り引きできるとします。でも大企業はそうしようとしない。他の企業を通してなら仕入れさせてもいいと言うんです。どういうことか、こんなふうに間接的に取り引きを行うとコーヒーの仕入れ値が120円になるんですよ。余分に交通費とかかかりますからね。だから私からすれば20円損したことになるんですが、大企業は20円得をしたことになるわけです。私なんかいっつもサンヨウコーヒー会社を通してくれって言われますもん。」
『あ、そういうことですか。よく理解できました笑 でも一番損してるのは途上国の人たちなんですね。』
「そうですね。それに大企業はよりもうけようとするから、途上国のコーヒー豆をさらに安く買い叩いていきます。安く買い叩いて、より高い値段で取り引きする。こういった悪循環が続いていくから格差は広がっていくんでしょうね。」 企業である以上、利益優先なのはわかるが目先の利益に捕われすぎるのも問題だと改めて感じた。まーしーに借りたCSRの本がぼんやりと浮かんだ瞬間でもあった。オーナーさんは、私にFTに興味があるのかどうか尋ねてきた。
『はい、大学のサークルでFT活動やってます。APUなんですけど、生協の方でもFTのコーヒー販売しているんですよ。』 オーナーさんはへぇ〜っと驚嘆していた。
「そこには、FT以外のコーヒーも売っていますか。」 生協では見たことがなかったので、たぶんFTのコーヒーだけですねと答えた。
「それはFTコーヒーの売上を伸ばすために配慮してということなんですかね。」
『どうなんですかね。そんなことはないと思いますけど、、でもこういったFT商品を販売するにあたって、ただ途上国を救うためだとか環境を守るためだとか、なんというか同情心だけで買って欲しくはないという思いはあります。やっぱりFTの質というものに、オーガニックとか農薬管理が徹底されてるとか、そういったFTのポジティブなところを好きになってもらいたいです。それが消費に結びついていけばすごくうれしいですね。』 実際はもっとちぐはぐしてたのだが、うまく伝えられただろうか。心配していた矢先、笑顔でオーナーさんは言った。
「そりゃそうですよ。同情心だけだったら持続はしていかないです。コーヒーを飲むときだって、それがFT産であれ違うコーヒーであれ、そんな(途上国への)ムズカシイ思いで飲んで欲しくはないし、やっぱり楽しくコーヒーというものを味わって欲しいですね。コーヒー業界の人たちはみんなそういった思いを持ってます。ただ、気付こうとする努力は必要になってくると思いますね。」
『なるほど〜、その気づくためのきっかけ作りを、僕たちFTサークルメンバーでしていきたいものですね。ホントに楽しい気分でFT商品を消費してもらいたいです。』 こうして私は、このコーヒーショップを後にした。
帰り際、雨がザーザー降っていました。そして思っている。
FT商品=安心感という思いを、生産者、販売者、消費者、たくさんの人たちに持ってほしい。これからフェアトレードの魅力を伝えていくうえで、やっぱり【笑顔】っていちばんのカギになると思います。この笑顔のカギを使って、彼らのFT商品=不安感という思いの扉をカチャッと開けていきたいものです。
それとありさちゃん、ウィンドファームのやつ行くと思いますよ^^でもひとりじゃ寂しい。誰かいっしょに行きましょう!! ではでは〜。